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研究内容

■研究内容

 多剤耐性菌の出現は、環境問題と同じように20世紀の人口増加・技術発展に伴う大量生産・大量消費の負の遺産とも言えます。
 そこで環境安全センターでは、国立感染症研究所との共同研究で、多剤耐性菌に関する酵素の構造・機能を物理化学的手法を用いて解析し、標的酵素の普遍的な機能を理解することを目標としています。またファージディスプレイ法やIn silicoで網羅的にそのシード阻害剤を探索しています。

★研究テーマ

  1. β-ラクタム剤のほとんどすべてを加水分解するメタロ-β-ラクタマーゼの研究
  2. 16S rRNAをメチル化することでアミノグリコシド耐性にするメチル基転移酵素の研究
  3. 耐性遺伝子の切り取り・集積機能を有するインテグラーゼの研究
 今後、多剤耐性結核菌および多剤耐性緑膿菌由来の酵素研究も発展させたいと考えています。
 また、酵素の大量精製をより簡単にするための新規蛋白質発現・精製法の構築も行う予定です。

■研究手法

  1. 大腸菌による標的酵素の大量発現・精製
  2. 蛋白質の結晶化とX線結晶構造解析
  3. 部位特異的変異酵素の調製
  4. 酵素反応の速度論的解析(Stopped-Flow法など)
  5. 酵素-阻害剤相互作用の速度論、平衡論および熱力学的解析 (BIACORE、ITCなど)
  6. In silicoによるシード化合物探索(MOE(ccg社)を使用:QSAR、Docking Simulation)
  7. ファージディスプレイ法によるペプチド阻害剤探索
  8. 蛋白質の構造安定性の評価(CD、DSC)
※(2)、(7)、(8)は共同研究者あり
酵素研究の流れ