化学物質
活動
化学物質管理支援システムYAKUMOの開発と運用
薬品管理支援システムの導入
熊本大学では、平成18年11月に薬品管理に関する業務を効率よく行うためのツールとして、薬品管理支援システムYAKUMOを導入しました。YAKUMOは、薬品を入手した時または使用した時に登録することで、在庫管理、集計などが簡単にできるシステムです。また熊本大学では、物品請求管理システムに薬品登録情報を移行させたり、実験廃液収集システムを導入して、さらに化学物質管理に関する業務を効率化してきました。
化学物質管理支援システムの開発
平成27年6月に、大学の現状に合わせることと、これからの化学物質管理をさらに効率よく行うために、熊本大学は自前で化学物質管理支援システムYAKUMOを開発しました。機能仕様書は熊本大学が考案し、プログラム作成は開発コミュニケーションを豊富にして、さらに柔軟かつ迅速に対応できるようにすることを目的に、地元企業に委託しました。開発コンセプトは「大学研究者に無くてはならないと言わせる化学物質管理支援システム」。化学物質の管理状況を見える化し、化学物質の危険有害性を研究室全員に伝わるように、バーコードラベルに工夫しました。さらに簡易版安全データシートが出力できます(リスクコミュニケーションの推進)。

YAKUMO登録支援
熊本大学では、化学物質取扱グループの業務負担軽減とYAKUMO登録率の向上のために、薬品または高圧ガス入手時にYAKUMO登録の支援を行っています。この支援は、薬品納入業者と高圧ガス納入業者の御協力により成立しています。
YAKUMO登録率の向上は、熊本大学の化学物質に関するハザードマップの精度を高めるものです。


リスクアセスメント
リスクアセスメントは、化学物質を使用する前に、化学物質の有害性と危険性のリスクを評価して、グループの構成員に周知して記録することを行います。
熊本大学では、中央安全衛生委員会で実施方針を決定して、環境安全センターで実施の指導と取りまとめを行っています。
また熊本大学では、リスクアセスメントは、グループ構成員(特に学生)の流動性を考え、毎年、実施することにしています。
なお、熊本大学ではYAKUMOによりリスクアセスメントの実施支援を利用することができます。

毒物および劇物の管理の適正化
毒物および劇物(毒劇物)は、テロや犯罪などに使われる化学物質のため、厳重に管理することが求められています。
そのため熊本大学では、YAKUMOの棚卸機能によりバーコードを読み込むことで、実際に毒劇物が保管されているか調べます。環境安全センターは、毒劇物の棚卸の取りまとめを行っています。
また毒劇物は、使用するたびに重量(または容量)を記録します。残量が適切か、YAKUMOから出力される簡易版安全データシートにある毒劇物使用簿の確認も行います。
記録の欄が足りない場合やYAKUMO登録対象外の化学物質用に以下の様式を準備しています。

作業環境測定に関すること
労働安全衛生法によって、「作業環境測定法」が定められています。これは適正な作業環境を確保することで、職場における労働者の健康を保持することを目的としています。
作業環境測定の対象物質が定められており、その化学物質を使って実験(作業)を行う場合は、作業環境測定を受ける必要があります。これら対象物質は、健康障害を引き起こしやすい化学物質であり、それらの取扱いによって、作業者または作業環境に、どれだけ影響を与えているか、それら化学物質の飛散の程度で判断する手法です。
熊本大学では、作業環境測定は自前で行っており、リスクアセスメント後に作業環境測定の対象作業場(実験室など)をYAKUMOを利用して選定します。
環境安全センターには、作業環境測定ができる分析機器が揃っており、さらに作業環境測定士の資格を持つ技術職員が職員としています。そのため、作業環境測定の結果が悪い時は、すぐに状況確認と対策を行い、さらに再測定で改善の確認を行うことができます。

化学物質の廃棄に関すること
熊本大学では、化学物質は関係法令等及び環境安全センターの指示に従って廃棄することになっています。
化学物質は、実験廃液、不用薬品、実験廃棄物、有害汚泥、水銀含有器具の区分で廃棄されます。 化学物質の廃棄に関する内容は、別途、ページを設けました。そちらをご覧ください。
排水の監視(排水水質測定)
下水道放流水の排水水質測定
下水道法に基づき、熊本市と協議の上で熊本市が管理する下水道への放流水の排水水質測定を行っています。
排水水質測定は、環境安全センターでとりまとめ、採水・分析は外部業者に委託しています。結果は、排水基準を超えそうな挙動があった場合は、排水している部局に対して指導を行います。
下水道放流水の採水ポイント
貯留槽の排水水質測定(pHのみ)
熊本大学内には、下水道放流地点の上流に貯留槽を設けています。基本的には排水のpHが異常値を示した場合、ポンプアップが停止する仕組みを持ちます(ただし一部はポンプアップしていない箇所があります)。
貯留槽の排水水質測定は、月に1回採水して、環境安全センターでpHのみを測定しています。結果は、下水道法の排水基準( pH 5.0~pH 9.0)を超えそうな場合は、排水している部局に対して指導を行います。
貯留槽の採水ポイント